あんな に つめた 荷物 も
ほとんど は だれか の もと へ
じぶんよう は 叔母さん から ゆずってもらった
ふるい 台所 どうぐ
いとしい 音楽 いろいろ な 想い たち
無防備 に ひらく 花
かくさなくて いい
まもらなくて いい
そのまま で いられる ばしょ
ここ は まだ 目覚めた ばかり
すこし だけ じかん を さかのぼる みたい に
まだ あおい うまれたて の 国 に
帰 国 しました
かえり の 中央駅
ねむけ まなこ イースター ホリデー
ひとびと は かぞく に 会い に いっていたのだろう
カラフル な リボン の ついた 柳 の 鞭 や
おおきな 荷物 を もつ ひとびと
のんびり 出発 を まつ 車内 ちいさな こども ふたり と おとうさん が
同じ 席 に 乗り合わせてきた
ゆっくり と ガタゴト と 電車 が うごきはじめる と
おとうさん は いろいろな はなし を はじめた
こども は 7人 いるんだよ とか 。
娘 が 手術 で プラハ に いっていたんだよ とか。 刑務所 に はいっていたこと とか 。
車内販売 の 女性 が とおりがけ 声 を かける
おとうさん は ビール を かいたかったけれど
こどもたち の ジュース を えらんでた
帰国 の 日 まで わがまま 放題 の わたし に
また でかけ に おにぎり を もたせてくれた 母
みえなくなるまで 手 を ふりつづけていた 父
なんどとなく こんなふう に じぶん の 分 を わけてくれたのだろう
そして 車内 こどもたち の 目 は まぶしい くらい に かがやいていた
あらゆる ポケット から おやつ が でてくる でてくる
ねぇ おとうさん あげてもいい ? と
おやつ を ひとつ ひとつ わたし にも くれる
いっしょ に くれた バナナ を たべる
窓 の 外 には ほころび はじめた 菜 の 花 の いろ たち が
永遠 みたい に ひかってる
春 を つげる イースター
村 に ついて も つづいていた
こどもたち は かご を もって 家々 を たずねて あるく
’ わたし へ ’ と チェコ の 母 が つくった ケーキ は
みみ が ちょっと こわれていて 楊枝 で 固定 してあった
そのため に 探し に 街 に でたのだろう 包み の いろ が すこし ケーキ に にじんでた
ほろほろ と 素朴
気もち が つまってた
いろいろ な 春 の いろ
いろいろ の 春 が ある
ふゆ を こえた ひとびと は だれも が そのまま に みえるけど
やっぱり うれしそう それ が わたし には うれしい
帰国 から いっしゅうかん
きょう も おだやか に しずか に また はじまる
ちかく の 国 で 争い が はじまるかもしれない
それでも ここに 来て よかった
あ い た か っ た よ