はやいなぁ もう せんしゅうまつ の こと
パートナー の ゆうじんたち が 蚤の市 を やる というので
その日 の ぜんじつ は へやじゅう ひっくりかえして
ひつよう の ないもの を 箱 へ あつめた
あるな あるな まだ でてくる
いらないもの たくさん もってる
気持ちよさそう に 冷えた 部 屋 で 眠っていた
それら を ごめん ごめん と 起こして つんで
一時間 ほど の すきな 街 に でかけた
一時間 ほど の すきな 街 に でかけた
蚤の市 は すき
冬 の 間 は おあずけ だったので
胸 が なる 胸 が おどる
そして こんな 蚤の市 は はじめて
みんな で もちよって
すきなもの を あげる
すべて 無 料 の のみのいち
エクスチェンジ など と いって
日 本 で はやっていた おしゃれ な よこもじ 交 換 より
さらに のびてて ゆるんでる
ただちゃん の 市
くらい の 雰囲気
せいかつ が つまっている
わたし が いちばん たのしみ に していたのは
チェコ の ひとびと が どんなもの を
もってくるのだろう と いう こと
わたし の まわり の チェコ の 人 々 は
なおして 繕って すてない
もしく は ともだち に あげる
くるくる 巡っている
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けれど ちいなさ この 国 も
世 界 の 縮 図
ゆったり やわらかい ひと ばかり ではない
いろいろな ひと が いる
いろいろな ひと も くらしている
きっと いのち も 巡っている
きっと いのち も 巡っている
プラハ に すんでいたころ 時 折 みかけた 景 色 が ある
それは きまって 月 曜 の あ さ
みるからに 高 価 な 食 器 や
あきらかに あたらしい 服 や バック などが いっせいに
街 の おおきな ごみばこ の まえに
無造作 に ちらかっている
食 器 は つかった あとのようで たべものが のこっている
鳥 たち が あとから あとから やってくる
なにも しらない 当 時 の わたしは
なにこれ!?
これ いま おみせ に 売っていそうな
あれこれ うれそうじゃない…!
と おどろきながらも
なんとも いえぬ 気 分 を おぼえたものだが
その 理 由 を すぐ に しった
なんとも いえぬ 気 分 を おぼえたものだが
その 理 由 を すぐ に しった
一 部 の ひとびと は
週 末 の ホームパーティ まで いろいろ 新 調 し
つかったら すてる
ただ それだけ
紙 皿 や プラスティック の フォーク や ナイフ の 延長線
:::
あのこ の ことば を おもいだす
買えばいいじゃない
むかし しりあった 裕 福 な 家 の
少 女 の くちぐせ で あった
こわれても なくしても
買えばいいじゃない
でも その もどかしさ を 埋 め に
よく はしった コーヒー店 で コーヒー を のみ
むいしき に その カップ を すてていた わたし
やたらに 備え付け の ナフキン を なんまい も つかった
なにも かんがえて いなかった
じぶん が なに を しているか わからなかった
みえなっかった
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高 価 に うまれた 食 器 や 服 たちは
また つかいたくないから
洗う 時 間 が もったいないから
すてられていた
いっぽう その 反対側 の とおり では
がさごそ がさごそ
ゴミ箱 に 体 ごと すっぽり はいって しまうかのように
捜索活動 を する ひとびと
その ひとたちは おなじような 装 い に
かならず おおきな 袋 を さげている
みつけたら バザール に しなじな を もってゆく
もちろん ゴ ミ の 日 には
ふつう の 日 常 の いらないものも だされていて
わたしは つかわないから どなたか どうぞ
そんな 風 に 完 全 に ゴミ箱 には 入れず
きれいな ところ に のっけたり ちかく の 木 に ひっかけたり
そんな いらなくなったもの たち にも
ときどき ひとがら が にじむ
やさしさ が 宿っている
なんどとなく おどろきの ものたちに であった
わたし の いいな は
おじさんたち の 圏 外 スル ー 分 野 なので
きれい に てつかずで のこっている
おばあちゃん の 裁縫道具
しんじられないような うつくしい ニット
ちいさな こども の ブラウス には ガラスボタン
その うつくしき ものたち にも ものがたり が あるのであろう
月 曜 の あさ は すこし こころ が いたんだ
世の中 が すこし みえてしまうから
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そして ただちゃん市 では いろいろなものが ならんだ
それは だれかが つかえるようにと
きれいに 磨かれていて それぞれ いいかお してる
かご や 服 本 や ベビー いす
ほんとうに あげていいの? な アクセサリー に
コーヒーメーカー かざりもの
どれも すこしだけ へんな デザイン
けれど じゅうぶん つかえる
わたし の ダンボール 1箱 と かごいっぱい の ものたちも
だれか の もとへ 出かけて 行った
だれか の もとへ 出かけて 行った
おまけに 日本製 柿 の 絵 の ダンボール も かわいいね と
ほしいひと が いて おいてきた
わたしたち の えらんだもの
パートナー は なんにも
気 の しれた ゆうじん と はなし を して
それだけ で じゅうぶん って か お
気 の しれた ゆうじん と はなし を して
それだけ で じゅうぶん って か お
まいにち 飛ぼう
もういちど 飛ぼう
そして どうしても さむくて 凍えそう に なったら
わらって さよなら 火 の なか へ
飛 ぶ たび に 地 面 を ならして
春 に ノック する
わたしたち は つち に なる
花 たち は あらわれる
くるくる くるくる 巡ってる
だれか の いらない は わたし の いいな
わたし のいらない は だれか の いい な
くるくる くるくる 巡ってる
まぁるく なる
や わ ら か く